いよいよ旅も5日目、午前10時にウィンザー城に来ました。
現在の王室はウィンザー家を名乗り、お城は王室の所有、女王は週末をここで過ごします。 ここはとても巨大な城で、その豪華さも、美しさも、想像を上回るところでした。 時間は遡り、午前9時、ナショナル・レールのパディントン駅です。 運行会社は First Great Western ファースト・グレート・ウェスタン鉄道といって、 大西部劇を思わせる?名前でした。 乗る列車はコレ。9時21分発のOxford 行き。 イギリスは電化区間が少ないとはいえ、大都会で見るディーゼルカーは不思議な感覚です。 切符は「オフ・ピーク・デイ・リターン」という種類で、 オフ・ピークや週末には片道の料金で往復が出来るお得なきっぷ。 土曜日でしたので、券売機でこれを選んで、£9.5。 20分たらずで乗換駅のSlough に到着。 ウィンザー・アンド・イートン・セントラル駅 Windsor & Eton Central 駅に到着。 社名にある first (一番)は fast (速い) のことかと、勘違いしたほど(笑)、 速くて、ロンドンからわずか30分でした。 駅から歩いてすぐ、ヘンリー8世門に到着。 (ここは現在入口ではなく、見学者が最後に出てくる門です。) ウィンザー城は900年以上前から有るわけですが、ヘンリー8世の時代に、 (門の向こうに見える) 聖ジョージ礼拝堂が完成しています。 パンフレットの鳥瞰図です。 左手の大きな建物は聖ジョージ礼拝堂。右手はお城のメイン部分、丘の上に有ります。 この日は土曜日でしたので、入場口には行列が出来ていました。 行列は二つあって、団体用の列と、個人観光客の列は別です。(団体用は長い列です。) London Passを見せると、個人の列を出て専用窓口へ案内され、一気に行列をスル―! 手荷物検査後、オーディオガイドを借り、10時30分、いよいよお城へ♪ タワーの有る城壁が近づいてきました。 メインタワーの「ラウンド・タワー」は正面、右手が入口の門です。 入口の門を潜ると、すぐもう一つ門が有って、 騎馬像の向こうに見学する建物が見えますが、 一般人はここは通れず、城壁沿いの回り道ルートを通ります。 ラウンドタワーの下を城壁沿いにぐるっと半周。 弓矢を射る穴や、銃眼が開いているのは、日本のお城と同じ。 「ラウンド・タワー」を見上げます。 西暦1070年にウィリアム征服王によって、城が出来たときは木造のタワーだったそうです。 女王旗が掲げられていましたので、エリザベス女王はご在宅のようです。 ここで左を見ると、向こうの方に衛兵が並んでいるでは有りませんか!! まだ見物人は少なく、衛兵交代が目の前に見えるポジションを確保できそうです♪ 楽隊の行進です。おもちゃの兵隊のよう♪ デジカメをビデオモードに変えて、写してみました。 楽隊の行進です。 衛兵の行進です。 交代儀式の進行も面白く、時間を忘れて見入って45分経過! お城の見学を再開します。 絵ハガキからお借りした空中写真です。居城としては世界で最も古く最大規模! 衛兵交代は一番下のところ。上の写真は坂を上がってNorth Terraceに出た所です。 まず、Queen Mary’s Dolls’ House を見学、これはメアリ王妃の人形の家で、 ミニチュアの宮殿ながら、おもちゃとは思えない精巧な作りで、トイレも水が流れる! North Terrace側からの、エリザベス1世もお気に入りだったという、素晴らしい景色。 建物の窓から外を撮ってみました。建物内は残念ながら撮影禁止。 state-apartments ステート・アパートメントは、謁見の間も、晩さん会の大広間も 豪華絢爛この上なし。1992年の火事の後、綺麗に修復され、以前の美しさが甦ったそうです。 本来は国賓用の場所を見学できるのも、考えれば凄いことかもしれません。 (画像はroyal-windsorより) 今上天皇は今年、女王エリザベス2世のGolden Jubilee に招かれ、ここの午餐会に参加。 世界各地の王様が出席し、その集合写真のあるサイトはこちら。 (Emperor Akihito は前列左端です。) ステート・アパートメントには St. George's Hall という、素晴らしい所が有りました。 ここには国王を守るガーター騎士団の槍と紋章のプレートが並んでいます。 係りの方におたずねして、今上天皇のプレートを発見しました。 (画像はThe Royal Collection より : ここも火事で修復した所) 最後に行くチャペルにも、これと同じような騎士団の部屋が有ります。 騎士団と天皇のつながりについてはそちらで再度触れます。 このほかに、季節限定でオープンする The Semi-State Rooms という部屋も見たのですが、それはこちらでどうぞ。 最後に、窓からもう一枚外の景色を撮りました。ラウンド・タワーを城内の方から見たところです。 入場するときに、門から見えた騎馬像(チャールズ2世)も写っています。 建物の見学が終わると、右手の大きな木の下に出てきます。 その大きな木の下から、柵越しに見えるのは、女王エリザベス2世のお住まいです。 ここから姿が見えるかも・・・と思ったのですが、遠すぎてよく判らず。 ウィンザー城でトイレに行っておこうと、建物を回り込んでノーステラス側に来ました。 柵の手前右手側が、私の用事の場所なのですが、 柵の向こうには衛兵が立っていて、そこから向こうは女王のプライベートゾーンのようです。 用事を済ませて出てくると、目の真ん前で、衛兵交代が始まるでは有りませんか!! 出先ごとの、局所的な衛兵交代だったのです。 ちょっと得した気分で、目の前の衛兵交代を楽しみました♪ 午後1時過ぎ、建物の見学を終えて、振り返ります。(冒頭の写真) ウィンザー城最後の見どころは、ゴシック様式が美しい聖ジョージ礼拝堂です。 聖ジョージSaint George は、竜から姫を助けたという伝説のイングランドの守護聖人で、 聖ゲオルギオス Georgiosのこと。 チャペルは撮影禁止なので、その素晴らしい姿は、The Anglophile の記事、 ST. GEORGE’S CHAPEL をご覧ください。 ヘンリー8世とジェイン・シーモアの墓はこの地下に有ります。 リンクの画像の中央がヘンリー8世、右がジェイン・シーモア、左がジェームズ1世の棺です。 (ヘンリー8世は1547年に死亡、ジェームズ1世は1649年にクロムウェルが処刑。) 画像は、ジョージ4世が摂政時代の1813年に、棺を確認した際のスケッチで、 それ以降、3人は誰の目にも触れずに、ここに静かに眠ったままなのでしょう。 (下の画像はask.comより) 聖ジョージ礼拝堂の中、ガーター騎士のバナー(旗)が並んだ所です。 ガーター騎士は、 ガーター勲章を持つ騎士 Knight of the Garter。 右手のオレンジ色に黄色の丸の一枚に注目、黄色は菊のご紋で、今上天皇のバナーです。 ガーター勲章は、日本には日英同盟をきっかけに、1906年に明治天皇に初めて贈られ、 大正天皇と昭和天皇も叙勲されましたが、両国が戦った第二次大戦でバナーは撤去され、 昭和天皇が訪英した1971年に復帰を果たし、今上天皇は1998年の訪英時に贈られました。 現在、ヨーロッパ人以外のガーター騎士は天皇だけだそうです。 ガイドブックにもあまり記載がなく、意外に知られていない勲章の歴史が、 日本とイギリスの王室の関係の深さを窺わせます。 すべて見学を終えたのは午後2時、名残惜しくウィンザー城を後にします。(2012.10.13) (おまけ) 1. ガーター勲章とイギリスの外交戦略について興味深い本は 女王陛下のブルーリボン ガーター勲章とイギリス外交 君塚 直隆著 2. 女王エリザベス2世とロイヤルファミリーについては、君主としての女王陛下の公式サイト British Monarchy がとても詳しく、その画像や映像だけでも楽しめます。 ランキング参加中です。 ↑ クリック どうも有難うございます♪ 次回はウィンザーの街歩き編です。
by ciao66
| 2012-12-02 23:10
| イギリスを歩く2012
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Comments(4)
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トムソーヤ
at 2012-12-03 09:59
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ウィンザー城、大きくて豪華絢爛ですね。
イギリス王室は、たくさんの所有地をもち、自前で維持するために商売にも熱心ですが、日本の皇室と比べるとうらやましい限りです。 あと、最初の鉄道駅,本当に広々としていますね。 ミュンヘンの中央駅もそうでしたが、ヨーロッパの駅のすっきりは気に入っています。
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ciao66 at 2012-12-03 19:03
ウィンザー城は、やはりメジャーな観光スポットのようです。
オフシーズンなのに、この日の午後には、観光客で大行列になっていました。 ロイヤルビジネスはなかなか上手ですね。 パディントン駅では、駅員さんにハリーポッターは何処?と聞いて、 「それは、キングズ・クロス駅ですよ」と返事が・・・。 ちょっと勘違いしていたのです(笑)。 ホームの向こうの遠い場所にあるという、パディントン・ベアは見ずでした。
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ciaomami
at 2012-12-03 21:02
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ciao66 at 2012-12-03 22:10
ウィンザー城の敷地は約3万坪で、建物は1万3000坪も有るそうです。
庶民の家なら何軒分でしょう? 近衛兵の帽子やボタンが違うのは、隊によってデザインを分けている為。 青の羽飾りはアイリッシュガーズという隊でした。もう一つの方は?です。
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