<< 春まだ浅し☆仙台市野草園 春のひかり >>

愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡

ちょっと曇り空の散歩です・・・いつもと違うところへ。
広瀬川を渡って来ました。さてここは何処でしょう?
広瀬河畔の「愛宕山横穴墓群」という遺跡です。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14454157.jpg





ここへ行くには・・・下の地図で
愛宕大橋の南から愛宕神社の直下を広瀬川沿いに上流方向に向かいます。

向こう岸は土樋と米ヶ袋で遠景に経ヶ峯と青葉山が見えてきて、
いつもと違うアングルが少し新鮮な感じがします。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14494070.jpg

さらに、国交省のアパートを越して上流方向へいきます。桜並木はまだ咲く気配なし。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_1449458.jpg

官舎の隣に変わった塔を発見。河川増水の時のスピーカーのようでした。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14495892.jpg

そして、塔の隣に有ったものは・・・遺跡の横穴墓群ではなく、コンクリートで出来た構造物!
廃墟になっているようです。防空壕の跡?

愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14443067.jpg

近づきます。鉄のドアが開いていて・・・
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14435728.jpg

入ってみるとまさに廃墟。探検気分です。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14534432.jpg

防空壕だったのかもしれませんが、よく見ると
アーチが有りますので、元々は違う用途の建物だった雰囲気です。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14535842.jpg

ここからは写真背後にトンネルが続いていましたので、
ますます謎だったのですが・・・。

 帰ってから調べたところ、ここは水力発電所跡だったようです。
仙台なつかしクラブの記事によると、
・・・・この洞窟は発電施設だったらしい。この洞窟への経路が「水路」として、またこの洞窟自体が「青葉電気工業発電所」として、昔の地図に描かれている。
大正9年から昭和4年まであった「水力発電所」として約10年間、長町をはじめとした主な工場へと送電したらしい。この水路はトンネルになっている。これを前に研究した東北大学では「仙台愛宕下水力発電所導水トンネル」と呼んでいたらしい。水力発電のため水を川から引くために使われたようだ。
操業は昭和4年には停止された。水路の総延長は約一・四キロメートル。トンネルには、主抗のほかに、五つの横坑がある。標高は、上流の竜の口渓谷側が約二十四メートル、下流の愛宕山側で約二十三メートル、落差は一メートルに満たない。・・・・
ということだったようです。

 ちょうど竜の口渓谷が広瀬川に出る付近をスタート地点として、瑞鳳殿の直下を通り、
終点は愛宕大橋の近くまで一直線1.4Kmの地下水路。
意外な産業遺産が近くで眠っていました。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14535077.jpg

 そのすぐ隣に有ったのが、昔は「エゾ穴」と呼ばれていた愛宕山横穴墓群 です。 
(冒頭の写真)
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14501156.jpg

「えみし」の穴と思われたのは調査の結果そうではなく、副葬品も見つかり、
7世紀後半から8世紀初め(飛鳥時代末期)陸奥国の国府だった太白区郡山周辺の人々が作った墓だと、
今では言われているそうです。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14515983.jpg

さらに上流へ行きます。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14515390.jpg

いつもの散歩コース、米ヶ袋の縛り地蔵が向こう岸に見えてきました。(写真右端)
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14521047.jpg

崖が迫ってきましたが、行けるところまで行きます。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14521760.jpg

小さな滝に来たところで、これから先は進めません。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14562821.jpg

引き返します。見えているのは愛宕大橋付近のマンション街。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_145229100.jpg

見上げると大きな横穴が有ります。
いつも米ヶ袋側から良く見えていた洞穴はこれでしょう。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_1565735.jpg

穴のそばまで登ってみました。
対岸のいつもの散歩道がよく見えます。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14523771.jpg

冒頭の場所に戻り、全景を写します。
国交省の塔と発電所跡、横穴墓群が一列に並んでいて、崖の上は愛宕神社です。
愛宕山の横穴墓群と水力発電所跡_f0100593_14524810.jpg

今日は、ちょっと冒険?みたいな変わった散歩でした。
by ciao66 | 2012-03-18 17:09 | 青葉山・広瀬川散策 | Comments(12)
Commented by Clearwater0606 at 2012-03-18 17:23
いやあ、大冒険でしたね。ちょっとどきどきして拝見させていただきました。
Commented by ciao66 at 2012-03-18 17:40
ちょっと予想していなかったものが現れた散歩でした。
近くに有りながら、実は初めて行った場所なのです。
Commented by はなみずき at 2012-03-18 18:10 x
ほんと!大冒険でしたね。
冒頭の写真は、人間の顔の様にも見えますね。
 私などは、一人で行ったら怖いです。

 ブラペンギンさんですね。
Commented by ciao66 at 2012-03-18 18:31
ほんとうに人の顔のように見えますね♪
樹が髪の毛になっているよう。
冒険のつもりではなかったのですが・・・
ちょっと気分転換できた散歩でした。
Commented by junnote at 2012-03-18 18:32 x
いつもの散歩道の向かい側が大冒険の場所になりましたね!驚きました
特に水力発電所跡の建物にはときめきました。
が、私も一人では怖くて入れないと思います^^;
でも行ってみたいと思いました~
Commented by ciao66 at 2012-03-18 19:07
意外な場所がサプライズスポットでした。
水力発電所跡は愛宕大橋からも対岸の米ヶ袋からも斜めになって
良く見えないところで近くに白昼堂々と「隠れて」いました。
 ↓は実際にトンネルを1.4kmにわたり正真正銘の「探検」した方のレポートです。
ちょっと気味悪い場面多数なのですが・・・・。泥まみれになって大変だったようです。
http://yamaiga.com/tunnel/atago/  私の見た入口だけなら大丈夫ですが・・・。
Commented by トムソーヤ at 2012-03-20 10:48 x
発電所跡、横穴墓群と、思っても見ないものが町の中にありますね。
プラタモリっぽく、遺跡群を探し出すのは、ciao66さんの得意なところかも。
春までの一服のお話ですね。

Commented by ciao66 at 2012-03-20 16:36
いつもより少しだけ足を伸ばしてみたのですが
思っても見ないものが見つかる・・・
まるで mini trip でした。
そう、春までの一服のお話です。
Commented by 2000円マスター at 2018-01-28 11:49 x
はじめまして。私が子供の頃この界隈にすんでいました。当時は滝のもう少し先まで行けました。また発電所跡にはレンガつくりの建物が残っていました。当時活躍していた「八木山合奏団」というフォークグループのシングル盤のジャケット写真はその発電所の建物で撮影されています。今は撤去されているようで寂しいです。
思い出話失礼しました。
Commented by ciao66 at 2018-01-28 20:11
2000円マスター様、いまだに都会の真ん中に残る不思議なスポットですが、昔の様子をお教えいただき有難うございました。廃墟がなぜ残っているのか、まだ謎のままですが、いつまでこの状態が続くのか、この先どう変化するのかも、ちょっと気になったりします。昔は有名スポットだったのかな・・・。
Commented by Charlie at 2021-10-20 21:23 x
こんばんは
愛宕下発電所の導水トンネルを巡るツアーに参加してきました。
いろいろ調べようと思ったらシciao66さんの記事にたどり着きました。
仙台にこんなところがあったとは驚きです。
最近記事にしたのでよろしかったらご覧ください。
http://charry-brack.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-8c734e.html
Commented by ciao66 at 2021-10-21 09:57
Charlieさん、愛宕下発電所跡の探索に私が行ったのは11年前のことでした。今もその様子は変わらず残っているようですね!どんなツアーだったのか拝見しに、さっそくお邪魔しました。
名前
URL
削除用パスワード
<< 春まだ浅し☆仙台市野草園 春のひかり >>