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冬の山寺 芭蕉の足跡を訪ねて

2007年12月23日(祝)
 山寺に来ました。以前来たのは十数年前のこと、随分久しぶりです。
芭蕉の足跡を訪ねる旅は10月の出羽仙台街道編、11月の陸奥国分寺編の続きです。
 一度冬に来てみたかったのですが、山寺の駅から奥の院まで往復2時間。雪はあまり無かったのです。
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松尾芭蕉の銅像。
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「おくのほそ道」の芭蕉の名文です。 
 山形領に立石寺といふ山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊に清閑の地なり。一見すべきよし、人々のすすむるによつて、尾花沢よりとつて返し、その間七里ばかりなり。
 日いまだ暮れず。麓の坊に宿かり置きて、山上の堂にのぼる。岩に巌(いはほ)を重ねて山とし、松柏(しやうはく)年ふり、土石老いて苔滑かに、岩上の院々とびらを閉ぢて物の音聞えず。
 岸をめぐり、岩を這ひて仏閣を拝し、佳景(かけい)寂寞(じやくまく)として心すみ行くのみおぼゆ。
 
   閑(しづ)かさや 岩にしみ入る 蝉の声 
(現代語訳)  
 山形の領内に立石寺という山寺がある。慈覚大師が開かれた寺で、とても清らかで静かな所だ。一度行って見るべきだと人々が勧めるので、尾花沢から引き返したが、その間、七里ばかりある。
 着いたら、日はまだ暮れていない。まずは麓の宿坊で宿を借りておいて、山上の堂にのぼる。岩の上に巌が重なり合って山となり、松や檜(ひのき)は樹齢を経て、土や石も長い年月の間に滑らかな苔におおわれ、岩上に建てられたお堂はみな扉を閉ざして、物音一つ聞こえない。
 崖を回り、岩を這って仏堂に詣でたが、周りのすばらしい景色は静寂に包まれ、心が澄みとおっていくばかりである。
(・・・・・がんばれ凡人!からお借りしました。) 
句碑。
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同行者の曽良。
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南無阿弥陀仏の石碑。
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根本中堂。
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根本中堂の布袋さん。
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境内の案内板。・・・・一番上まで行きます。右上は奥の院、左上は五大堂。
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階段を登って姥堂に来ました。
奪衣婆(だつえば)の像です。ちょっと雰囲気が・・・
 三途の川のほとりにいて亡者の着物を奪い取るというのが奪衣婆。隣はお地蔵さん。
昔はここの清水で身体を清め、着物を着替えて、古いほうを姥堂に奉納したそうです。
 姥堂を境にここから下が地獄、ここから上が極楽という浄土口。
ここから、「一つ一つの階段を登るのことによって欲望や穢れを消滅させ明るく正しい人間になる」とのこと。へぇ~。
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蝉塚。芭蕉の句の短冊を埋めた場所。
ここから見上げる岩の上の場所まで階段を行きます。
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慈覚大師円仁による開山は西暦860年!とっても古い。
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何に見えますか?
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どう見ても顔なのですが・・・・
ここに限らず、岩という岩に孔が穿って有ります。
 骨を入れたようです。
死後の魂の帰るべき山、
「ここは極楽、死んだらここへ」という訳でしょう。

弥陀洞。中央のツララの様な岩の下にある自然の岩です。
仏の姿に見えればその方は幸せになるという・・・
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仁王門。階段を登った突き当たりに赤い実が。
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仁王さんは運慶の弟子の作品です。
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門の天井。
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木彫りの獅子。
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見応えのある仁王門です。

ほっとする赤い実。
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奥の院まで来ると雪だらけです。
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岩の上には納経堂。その右手は五大堂。
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五大堂からの雪景色。
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ちょっと印度風な雰囲気もある素敵な仏像です。
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修行の岩場。
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 帰り道、静かな階段の道を降りながらふと聞こえた、姥堂の清水の音がとっても印象的で・・・
 「岸をめぐり、岩を這ひて仏閣を拝し、佳景(かけい)寂寞(じやくまく)として心すみ行くのみおぼゆ。」という芭蕉の当時の心境が偲ばれました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は日曜日。「土日きっぷ」の「日」のほうを使った旅だったのです。
「土」の方は東京行き・・・「江戸東京博物館・飛鳥山・丸の内編」は次回にアップします。
by ciao66 | 2007-12-23 21:05 | 東北あちこち | Comments(2)
Commented by はなみずき at 2007-12-24 15:47 x
ペンギンさん
 芭蕉の足跡を辿る旅、今年のハイライトというところですね。
数年前になりますが、海外でも俳句熱が高まっているとの事で、知人のアメリカ人
ご夫妻を聖地山寺に案内した事がありますが、このレポートによると往復2時間の
行程との事で、奥の院はず~と上の方で我々が上ったのはほんのさわりだった訳
ですね。 寒さにふるえている昨今、ペンギンさんのバイタリティーに驚くばかりです。
Commented by ciao66 at 2007-12-24 17:25
お天気は曇りでしたが、2日間有効のきっぷを使おうと(笑)行ってきました。期待した雪景色は無くとも歩きやすかったし、空いていて意外に写真は撮りやすかったのです。
 観光客はアメリカ人らしきは見かけませんでしたが近隣の外国からは多数来ていました。
 3連休最終日の今日は家でゆっくり休養です。
・・・でも先ほどちょっと広瀬川散歩には行ってきましたが。
芭蕉シリーズで足跡を尋ねる旅は来年も続きそうです。
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