「うろうろ関西」も最終回となりました。やってきたのは奈良の信貴山。
今度はご案内人つきです。 いつも拙ブログにコメントを頂戴しています奈良のペンギン変愚院さんにすっかりお世話になりました。 写真は参道の「世界一大福寅」です。これから朝護孫子寺の山内一周します。 広い山内の案内図です。今いる所は右下の寅の場所。 「新日本山岳誌」によると、ここは聖徳太子が物部守屋との戦いに敗れてこの山に逃げ込み、 毘沙門天に祈願して勝利を得たので創建したと伝えられる。古い歴史が有ります。 絵馬堂。 向こう側の寅の頭から入って・・・抜けたら、こちら側もまた頭でした。尻尾は無い?? それにしても信貴山はなぜ寅なのか? 聖徳太子が毘沙門天王から必勝の秘法を授かったのが、奇しくも寅年、寅日、寅の刻だったという 言い伝えによるようです。 (そういえば今年は寅年でしたが、寅年も残すところあとわずかになりました。) 少し歩くと大日如来の多宝塔が見えてきました。 青空に金色と朱が映えています。 そして、ここがかの「福神」であり「武神」でもある毘沙門天王のいらっしゃる本堂です。 聖徳太子にあやかって味方になってほしい強力な神様です。・・・ということで、 変愚院さんと一緒にお参りします。祈るはもちろんタイガースの優勝だったのでしょう。 私も〇〇お祈りしました。〇〇は内緒(笑)。 兜をかぶった毘沙門天像は聖徳太子の作だとか。 さて本堂のお参りの後は、信貴山城跡(標高437m)まで山登りです。 鳥居をくぐりまた鳥居をくぐり、どんどん登ると山頂の「空鉢護法」に着きます。 変愚院さん、とっても足取りが軽く登られるのに感心♪流石です。 山頂付近は奉納された鳥居や柵の石が多数。中世は山城だったところだそうです。 この地は、古代から何度も山城が造られた。戦国時代、1559年に松永秀久が城を構えたが、1577年に織田信長により落城した。(「新日本山岳誌」より抜粋) 歴史あるところだけに登場人物が豊富ですね。織田信長まで登場! 山頂からの眺めです。下の方に建物が見えているあたりから登ってきました。 等高線を計算すると登ったのは標高差では140mほどでしょうか。 ここからは、葛城山や、耳成山も見え大和一国が一望でした。(ちょっとかすんでうまく撮れません) 山の紅葉です。 山頂から向かいの高安山(488m)を望みます。 奈良と大阪の境目は高安山で、信貴山は奈良県の領域だと。知りませんでした。 山頂付近は奉納された灯篭も多数です。 さて、降りてきました。赤い旗が紅葉の前に多数並んでいますが・・ よく見ると「ムカデの旗」! なぜ百足(むかで)かというと、毘沙門天のお使いが百足なのだそうです。 そして信貴山といえば、「信貴山縁起絵巻」ですね。(国宝) 実物は奈良国立博物館に有るそうですが、写本を見ることが出来ました。 「空鉢」の御坊へ上った後だけに絵巻の話が面白い。以下は要約です。 (霊宝館の入場チケットの絵柄が絵巻物のハイライト部分で、黄色いのが「空鉢」です。) 山崎長者の巻(飛倉の巻) 法師(命蓮)が信貴山で一心に修行を行っていた。 山の麓の長者の元に命蓮上人が托鉢のために山から鉢を飛ばしたが、 長者は度重なる托鉢を嫌って米倉に鉢を閉じこめてしまう。 妙連は念じて、倉から鉢が飛び出させ、鉢は蔵を乗せて信貴山へ飛んで帰ってしまう。 長者は馬に乗り、あわてて従者とともに後を追い、信貴山に登って命蓮に倉を返すように懇願する。 命蓮は倉は返さないが、蔵の中にある米俵は返すと約束し、俵を乗せた鉢が米俵を従えて飛行し、 長者宅に帰り着き、下女達が驚き喜ぶ様子で締めくくられる。 (解説は平群町ホームページから拝借) 変愚院さんの解説で絵巻を面白く見ることが出来ました♪ 「空飛ぶ鉢」、なんて面白いですね。 それで「空鉢」、「空っぽの鉢」なのか「空飛ぶ鉢」なのか・・、これでよく判りました。 多宝塔の朱色が鮮やかです。 もう来年の干支が出ていました。気の早いウサギです(笑)。 バックが冴えませんが真っ赤な紅葉です。 登ってきた山を振り返ります。 足元の散紅葉を見ながら、 変愚院さんお勧めのスポットへ。もう一度信貴山を振り返ります。 信貴山は「信ずべき山、貴ぶべき山」ということで、聖徳太子が命名したそうです。 この日は、変愚院さんのおかげで、山歩きもでき、歴史散策も楽しみ、 なによりも「信ずべき友、貴ぶべき友」にもお会いできた、とても素晴らしい時間でした。
by ciao66
| 2010-12-07 20:07
| 関西うろうろ
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Comments(8)
お早うございます。
待望の「うろうろ関西」最終回、拝見しました。 さすが全体の構成といい、写真の配分といい素晴らしく、 BLOGはこうでなければというお手本を見せて頂いた思いです。 それにしても十分なこともできませんでしたのに、過分のお言葉を頂き恐縮です。こちらこそ ご一緒に楽しい時間を過ごさせて頂いて感謝しています。 大和には有名な寺社だけでなく、人知れぬ隠れた寺社も数多くあります。 次回はぜひ、ごゆっくりご来遊下さいますようお待ちしています。
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ciao66 at 2010-12-08 20:03
こんばんは。
お待たせしましたがやっとどうにか完成。 変愚院様の先行したお手本記事を拝見していましたので、参考にしつつ何とか纏めました。 山良し、絵巻物良し、友良し、お天気良し、景色良しで言うことなしでした。 こちらこそ感謝感謝です。 今度、東北の山行き(月山?)にお越しの節は、ぜひ仙台にお寄りくださいますよう、 こちらも、手ぐすね引いて?お待ちしております。
信貴山朝護孫子寺はとても奥深く紅葉のきれいなお寺です。
私も11月末ころに参じました。 高野山墓参の帰りで この日は諏訪まで車で走らなければなりません。 足早に見たお寺 紅葉だけ撮って。 そんな訳で こちらのブログで勉強させていただきました。 私は今日 アップしています。
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ciao66 at 2010-12-10 17:45
信貴山は歴史が面白いスポットで、絵巻物の話や聖徳太子の話など
話題や見どころが盛りだくさんですね。 紅葉ももちろん見事でしたが、 昔から庶民のエンタテインメントな場所だったんでしょう。 ビリア様の↑リンクが「ページが見つかりません。」になっていたので、検索して見つけましたよ。 http://vilia.cocolog-nifty.com/blog/ ・・・綺麗に撮れていますね。
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はなみずき
at 2010-12-10 20:32
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歴史で習ったあの信貴山なのですね。
歴史絵巻を見る思いで、素晴らしい構成の信貴山を拝見しました。 このブログでお馴染みの変愚院様のご案内だったそうで すね。あたたかい友情に信貴山編がいっそう輝いてみえ ました。
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ciao66 at 2010-12-10 21:19
「信貴山縁起絵巻」に出てくる「空飛ぶ鉢」という発想はとても面白く、アニメの原点のようでもあり、
SFのようでもあり、ユーモアもあって、これがとても気に入ったのです。 絵巻物の横で、変愚院様が筋書きをうまく解説していただきましたので、 生きたように絵巻物を鑑賞できました。 その名前は教科書で習って記憶に有ったものの、別の絵巻の「鳥獣戯画」と混同していた、何も知らない私でしたが・・(笑)。 http://www.ikomayama.com/sanroku/shigi/shigisan1.html (・・・ちょっと詳しくて面白い、絵巻物の解説を発見)
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トムソーヤ
at 2010-12-11 11:41
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ちょっと目を離すと、京都のはずがいつのまにか奈良に飛んでいます。いつもながら行動力のあるCiao66さんですね。
信貴山は、「信貴山縁起絵巻」でしか知りせんでしたが、聖徳太子とゆかりのあるお寺とは知りませんでした。勉強になります。 最後の一枚、お勧めのスポットだけというだけあって、一幅の絵になっていますね。
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ciao66 at 2010-12-11 20:28
「聖徳太子伝説」も多数ある様で・・
「あの聖徳太子が・・・!」と言われると、「あっそうだったんだ!」となります。 (たとえ伝説であっても話は面白いですが・・・。) お寺に伝わる話は史実とは違うかもしれませんね。
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