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第28話:ゴッホの部屋の謎@サン・ポール・ド・モーゾール修道院の病院

(2010年4月10日その3)
ここはゴッホが1889年に入院した、サン・ポール・ド・モーゾールの病院です。
ここはもともとは12世紀に建てられた修道院でしたが、1806年から精神病院になり、
今もここは精神病院として機能しています。写真は庭からの眺めです。
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10年前位までは見学不可能だったようですが、今は見学可能となっています。
まずは、門を入ったところから、振り返ると大きな糸杉が有ります。
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さらに進むともう一つ門が有って・・
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ゴッホの銅像が迎えてくれます。
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修道院付属の教会が今も残っています。
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建物に入ると修道院らしい中庭が有り・・
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2階に上がると・・・あれっ?精神病院のバザー会場に紛れ込んでしまいました。
職員の方に案内してもらってゴッホの再現された病室に行きます。
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これがゴッホの眺めた景色!
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少し右手にカメラを振ります。ゴッホの描いた絵の通りの景色です。
小さな小屋も残っていて、塀も、外の景色も・・・。
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実は鉄格子が有るのです。前の写真と見比べてみてください。
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ベッドや机が再現されています。
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窓際の画架。今そこにゴッホがいそうな感じ。
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床。
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ゴッホのここで描いた絵、「麦かる人のいる囲われた畑」です。ここで何枚も何枚も描きました。
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ゴッホの再現された部屋の向かいは、当時の精神病院の様子が展示されています。
これを見ると、120年前の精神病院は患者にとっては人権が尊重されていたとは思えず、
なかなか厳しいところだったと思われます。
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患者が入るお風呂。治療用らしい。今使われているものではなくゴッホ当時のものです。
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廊下に十字架発見。修道院だった痕跡でしょう。
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ゴッホの胸像。ゴッホは入院当時、幻覚と幻聴、突如起こる発作に悩まされました。
しかし、ゴッホの病名については、てんかん性発作とかいろんな説が有り、いまだ定説はないようです。
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階段を下りたところ入口の鉄格子。何重にも隔離されていたことがわかります。
階段踊り場の絵が見えます。これは・・
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今の入院患者が描いた絵だそうです。
アートセラピーで心を解きほぐすのだそうですが、このようなものはゴッホの時代には無かったでしょう。
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庭に出てみます。
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桜。
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緑の草はアイリスでしょうか。
先ほど上から見えた小屋と塀が見えます。
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「内と外」を隔てる塀。
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冒頭の写真。でもちょっと疑問が・・・
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(ゴッホの真の部屋は何処?・・探偵のように捜索してみる。)
私の旅の案内人「ゴッホのフランス風景紀行」によると、今の部屋の造りや向き等はゴッホの時と同じように再現されていますが、
「ゴッホの本当の病室は北に15mほどずれている。」と書いてあったのです。
では、どこに有ったのか??
探偵になったつもりで庭を捜索しても、それらしき場所に建物はありません。
15mというと、位置としては教会の建物のあたりですが???何もありません。

それを、ミュージアムショップの素敵なマダムに聞いてみました。
「真のゴッホの部屋はもう、destroyed(壊されて)現存しない。
教会の建物の背中合わせのあたり、grand floor (一階に)有った。」
・・・驚愕の事実です!

写真は1階のミュージアムショップで買った本です。
当時の病院の状況やゴッホの当時の状況など、英語なので主に写真を見る(笑)。
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(謎は解けたか?)
赤い星マークは再現されたゴッホの病室。
黄色い星マークが本当のゴッホの病室の場所。grand floor でdestroyedという。
ショップのマダムにデジカメの画像をお見せして確認しましたら、ここで間違いなしと。
どんな建物だったんでしょう。
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でも、新たな疑問が・・・ゴッホの絵は2階から描いたように見えますね。
2階に上がって描いていたのでしょうか。階段を上がったあたりの小さなホールに窓が有ります。
画材や絵を置いていた部屋がもう一つ別に有ったようですが、それは何処だったのか?
一つ疑問が解決したら、また新たに出てきたような・・・ご存知の方はどうぞお教えください。

明るい庭。
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(ゴッホは一年後の1990年5月、体調がよくなり、北への回帰の思いから、ここを退院し、
終焉の地であるパリ郊外の美しい村、オーヴェール・シュル・オワーズに向かいますが、
そこは旅行記の後半に登場します。
マルセイユやパリ散歩の次なので、10話か20話ほど先でしょうか。)

病院を出て近くのローマ遺跡に向かいます。(次回に続く)
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by ciao66 | 2010-07-22 21:35 | フランス紀行2010 | Comments(8)
Commented by ciaomami at 2010-07-22 23:45 x
銅像があるだなんてこの病院の誇りなんですね
銅像が手にもっているのはひまわりですよね~ゴッホはひまわりが好きだったのかしら・・・
黄色い絵のゴッホとひまわりって似合いますね☆
アートセラピーも素敵です
Commented by ciao66 at 2010-07-23 07:20
ここはゴッホの聖地のようなものなので銅像が立っているのでしょう。ゴッホ自身、聖人なのかもしれません。
ひまわり・ゴッホ・黄色、というのは判りやすい組み合わせなのですが、
ゴッホのここの主なモチーフである、オリーブ畑や麦畑、糸杉では銅像が造りにくかったのではないかと推察します。
オリーブ畑を持たせるわけに行きませんので、葉っぱとか麦の穂とか・・・銅像のインパクトなし(笑)。
Commented by 変愚院 at 2010-07-23 08:45 x
ゴッホの銅像の立つ病院、周囲の風景はあまり変わっていないのでしょうか。
幾重にも囲まれた牢獄のような環境でも、ゴッホの制作意欲は衰えなかったのですね。
当時の部屋の在処を確認された、ciao66さんの探求心の強さには脱帽です!
Commented by junnote at 2010-07-23 09:59 x
何重にも囲われた鉄格子に、当時の精神病院は患者の症状を癒す場所ではなく、
世間と隔離するための場所だったのかなぁと想像させられました。
ゴッホのいた部屋は残されていないそうですが、
囲われた麦畑の絵が確かに彼がここにいたことを表していますね。

門をくぐるとゴッホの銅像が迎えてくれるのはなんだかうれしいですね。
私もきっと前後左右から写真を撮ってしまいそう☆
ふと考えてしまいました。この頃のゴッホと今の私は同世代だと。
Commented by トムソーヤ at 2010-07-23 20:47 x
12世紀に出来た修道院が、19世紀初頭に精神病院となり、21世紀の今も使われている、ことに驚きです。
またゴッホの時代の鉄格子と、外の花々や麦畑の明るさの違いも目立ちます。

この過去と現在が交差する病院を舞台に、ciao66 探偵の推理も冴えていますね。


Commented by ciao66 at 2010-07-23 22:23
変愚院様、周囲の風景はゴッホの時代と変わっていないどころか、そっくりそのままでした。
京都の嵐山などの歴史的風土保存区域のように、建築や開発が制限され、あのゴッホの聖地は守られているのかもしれません。

 つたない英語の探偵に対して、ミュジアムショップのマダムは、まるでよくできた図書館の司書のようにポイントを突いた受け答えで、よく付き合ってくれました。
ただ、もうちょっと英語力が有れば、もう少しあれこれと疑問点を聞けた、と思うのですが・・・。
Commented by ciao66 at 2010-07-23 22:43
junnote様、当時の精神病院はほとんど自由がなくまるで軍隊の生活みたいだった感じです。
ゴッホの戸外制作は特別の扱いだった感じですが、それ以外の時間ではやはり自由を奪われた状態に変わりはなかったでしょう。

ゴッホのrial roomは今は無くなっていますが、
あの再現された病室は、リアリティをもって、入った途端に「その部屋だ」と思わせるに充分な条件がそろっていて感動しました。

ゴッホの短い人生、切ない感じですが、未来に大きな贈り物を残しました。
同じ年代でしたら、なおさら感じるところが有りそうですね。
Commented by ciao66 at 2010-07-23 22:55
トムソーヤ様、ゴッホの美しい絵には鉄格子は描かれていませんが、描いた場所は鉄格子の中から。
美しい景色と鉄格子・・・ため息が出そうですね。

探偵結果は、実際はゴッホの部屋が一階に有ったという思わぬ結果でした。
もう少し詳しい真相が知りたい、という感じです。
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