2009年4月28日(その6)
(第24話の前に・・・) この旅行記、ヴェネツィアに来てから、まさに歩くスピード並の進み具合になり、振り返れば、わずか1時間ほどの出来事を、3回にわたって掲載(笑)。 ヴェネツィアでは歩きながら、なんと441枚も撮りましたが、何処を撮っても絵になるので、ボツ写真が意外に少ないのです。・・・・そして、写真の整理が進み、判明しました。 ヴェネツィア編は後20回くらい続き、当面、週4回を目標に連載します。 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> (さて、第24話です。) 皆が入って行くこの入口は、路地が建物の下をくぐる部分(=ソットポルテゴ)です。 通りの名前の中の‘forno’の文字は、入り口のピザ屋の窯(forno)と関連が有るのでしょうか。 奥に入って行くと、道は続き、また建物の下をくぐります。 このソットポルテゴは本当に低い天井です。 そして、CORTE DEL MILION (コルテ・デル・ミリオン・億万長者の中庭)と書いてあります。 潜って、中庭に出ました。ここが、CORTE DEL MILION。 目の前の物体は「井戸」です。ヴェネツィアの広場ではたいてい有ります。 水をくみ上げるのでなく、広場や建物の雨水を集めて貯めておき、砂で浄化する装置付きのようです。 奥の方に捩った橋の階段が見えます。そちらに向かいます。 (名前の由来) CORTE DEL MILION (コルテ・デル・ミリオン・億万長者の中庭)といのは、 マルコポーロがこの広場の一角に住んでいたことに由来します。 時は1253年~1324年のこと、でも、いまは、何も残っていません。 マルコポーロの異名はil milione(イル・ミリオーネ・百万旦那)ですし、 「東方見聞録」の原題も同じく‘il milione’(イル・ミリオーネ・百万旦那)。 (建物と庭について) 右奥に、丸いアーチが幾つも有りますが、12世紀ころのビザンティン様式で相当古いそうです。 ここは今もプライベート空間の雰囲気を強く残した、中庭です。 (変化してきた中庭) 島々に橋が架かっていない時期、このコルテは通り抜けできない私的空間だったのですが、 橋を捩じって架けたと同時期に、コルテにソットポルテゴを設け、建て物の下を通り抜けできるようになったと思われます。 (・・・・・以上、『迷宮都市ヴェネツィアを歩く』の「ルート7」より。本とは逆向きに歩いています。) >>>>>>>>>>>>>>>>>>> 別の角度から、振り返ってコルテを見ます。左手の井戸の前を通ってこちらに来ました。 少し歩き、別の広場に出ました。Canpo Santa Marina(カンポ・サンタマリーナ)です。 明るく大きな、地元の市民の広場、という感じでのんびりとしています。 先ほどのコルテと呼ばれる通り抜けの中庭とは雰囲気がずいぶん違います。 カンポ(canpo・広場)、というのは本来は、畑、田園の意味。 この旅行記でも、シエナのカンポ広場、ピサのカンポサントなどたびたび登場しています。 昔は木なども植わっていたようです。写真中央は、タバッキでしょう。(まぁキオスクみたいなもの) やはりここにも井戸が有ります。 暫く歩いて行くと、ぱっ、と明るい水面が広がります。 Rio di Santa Marina(リオ・ディ・サンタ・マリーナ/サンタ・マリーナ運河)。 クリスト橋を渡り、右手の島に入ります。 こんどは、雰囲気のあるフォンダメンタに出ました。 運河沿いの道がフォンダメンタです。 右側の家は運河にプライベートな橋を架けています。 写真は、橋から撮っており、フォンダメンタに降りる階段が下に見えます。 ヴェネツィアの運河は、もともと有ったものでは無く、水路を掘ったものでもありません。 島と島の間の海を埋め立てて、残った隙間が運河なのです。 埋め立てた岸辺には木杭を深く打ちこみ、建物の土台と共通の基礎になりました。 それで、フォンダメンタ(fondamenta)、というわけです。 (ここで、ちょっとお勉強。) 400の橋でつながれた118の島(ラグーナ)からできているヴェネツィアは 6世紀,湿地に杭を打った人工の浮島から始まった。 12世紀から本格的な建設が行われ,16世紀には,現在見られる姿が,ほぼ完成していた。 建物の基礎は,密実に打ち込んだ5~10㍍のカラマツの木杭の上に,厚板とイストリア石を積み上げてつくられた。 泥土の中で空気が遮断され,上から大きな圧力がかかるため,材木は腐らず鉱化し,12世紀からの建物の荷重をしっかりと支えている。・・・・(イタリア建築通信から) >>>>>>>>>>>>>> クリスト橋(ponte del cristo)という案内板。 その右に、SESTIER DE CANAREGIOの案内板。 (ここからカンナレッジョ地区です。看板ゆえか、NとRが一個少ない) 白い案内板と古い壁の雰囲気がいい感じです。 もう一つ、案内板。FONDAMENTA VON AXEL ・・・通りの名前でしょう。 ここから、少し行ったところを左に曲がります。 曲がると、見えたのがこの建物です。 次回はこの建物(教会)から始まります。
by ciao66
| 2009-06-09 20:00
| イタリア旅行2009
|
Comments(12)
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mamejiro19 at 2009-06-09 21:35
こんばんは。最初のほうを読んで、ちょっとふきだしてしまいました~!
億万長者の庭って、おもしろいですね。あんまり長者じゃなさそうなところも^^。細~い運河もまたいい感じですね!今回もまた勉強になりました!
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venezia編はあと20話ぐらいなんてbravo!!
人が少ないのは路地だからなのでしょうか?それともお得意の早朝散歩ですか? 最後の写真はサンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会ですねっ! 宝石箱のようなファサードに魅かれ、是非見てみたい教会なんです 次回は内部を拝見できるのかしら…!?
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ciao66 at 2009-06-09 22:20
確かに、今はごく普通の市民の住むところという雰囲気で、長者は別の所に行ったのかも・・・
まぁ伝説みたいなものです。マルコポーロは実在せず、複数のヴェネツィア商人の記録を「マルコ・ポーロ」という商人に仮託して纏めた物、という説も考えられる、そうです。(wikipedia)
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ciao66 at 2009-06-09 22:31
「場所当て」見事ご正解です!
次回はもちろん「宝石箱」の中もご案内しますよ。 デジカメの記録では、リアルト橋通過の30分後、午後1時45分にサンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会に到着。 人が少ないのは裏通りだからでしょう。雑踏よりは断然こちらがいいです。
「何処を撮っても絵になるので…」と書いておられますが、本当にそうですね。
ゆっくりと街歩きを楽しませて頂きますので、あと20話といわずのんびり続けてください。
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ciao66 at 2009-06-10 19:41
ヴェネツィアだけであと20話と計画しましたが、
ヴェネツィア以後のパドヴァ・ヴェローナ・コモ湖・ミラノの分が、まだ計算出来ていないのです。 この分も多分20話以上かかると思いますので、合計すれば40話になります。 40話で10週間ということは、2ヶ月以上、8月までのロングランです。 途中、休みながら、のんびり一息入れる時も有るかもしれません。 そうぞ、ごゆっくりとお付き合いをお願いします。
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at 2022-06-15 15:06
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ciao66 at 2022-06-15 19:48
鍵コメントさんへ
ヴェネツィアの記事をご愛読いただき有難うございます。ヴェネツィアは何処を撮っても絵になるところでした。やはりここは特別な場所ですね! 鍵コメントさんにとっても思い出深い場所だったのでしょう。 そして、写真のデータをなくされて、さぞ残念だったことでしょう。 鍵コメントさんが拙ブログのヴェネツィアの記事の写真データをダウンロードして、スライドショーをインスタグラムに掲載なさることは了解です。 その場合、https://ciao66.exblog.jp/からの引用であることを明記していただくようにお願いします。 (該当の記事ページのアドレスならさらに望ましいと思います。https://ciao66.exblog.jp/11226331/ のようなスタイルです。) いい記事が出来ますように!
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at 2022-06-15 20:56
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at 2022-06-26 22:46
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at 2022-06-27 13:54
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ciao66 at 2022-06-27 14:24
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